敏感すぎる人たち
突然ですが、私はHSPなんです。
Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)とは、「人一倍敏感な人」という意味で、生まれつき敏感で、周囲からの刺激や他人の感情を過度に受け取ってしまう人だと言われています。
アメリカで研究が進み、最近では日本でもHSPという言葉を本やネットなどでよく見かけるようになりました。
病気や障害ではないけれど、以下のような特徴により生きづらさを感じたり、学校や職場で疲弊してしまう人たちのことだと定義づけられています。
D 「深く考えをめぐらせる(Depth of processing)」
O 「過剰な刺激を受けてしまう(Overstimulation)」
E 「感情が動きやすく共感もしやすい(Emotional response and empathy)」
S 「些細なことにも敏感(Sensitivity to subtleties)」
ちなみにHSPである私の生活では、こんな場面があります。
ある日、友達と一緒に同じ車に乗ってランチに出かけたのですが、私はカーナビに従って運転していました。
「次の信号で右折してください。」というカーナビの声を無視して、私は直進してしまいました。
右折できる右車線に入ることができず、それから次の信号も、そしてその次の信号も曲がることができず直進し続けていたのです。
そして次にカーナビは、
「道を変更します。次の信号を右折してください。」と言いました。
もちろんその言葉はあらかじめ録音された機械の声ですが、私にとってはその声が苛立ちを含んでいるように聞こえてしまうのです。
「何度も何度もこっちの指示を無視しやがって!?」と、
今にも怒鳴りだしそうな気さえします。
助手席に乗っている友達に、「カーナビ怒ってるよね。。。」と恐る恐る言うと、
彼女は「それはないよ~、機械だし。エミコのHSP重症だね。」と、
半分あきれ顔でつぶやいていました。
このようにHSPであるがゆえに、苦労することもありますが、HSPだからこそ生かせる長所もあります。
HSPは繊細が故に、人に共感しやすく、他人の気持ちを読み取るのが得意です。
(私の場合は後ろにいる人も、遠くの人も、その人の気持ちが無断で入り込んでくるので、自分自身に鈍感なフリをして心で線を引く努力をしています。)
また周りの状況を詳細なデータとして受け取るため、物事を多角的にみることができるという長所もあります。
私が接してきた子ども達のなかにも、HSCハイリー・センシティブ・チャイルド(敏感な子ども)がいます。
人の感情や気分、音や光、場の雰囲気など、どこに敏感さが強く反応するかはHSCであっても、それぞれ異なり、ときには発達障害として間違われることもあります。
しかし一般的に大きく違うのは、自閉症やアスペルガーの子たちは人の気持ちを読むのが苦手であるのに対し、HSCは他人の気持ちを察することに人一倍長けているところです。
内向的な子もいれば、外向的な性格を持つHSCもいます。
シアトルの幼稚園にHSCであろう思われる、Cちゃんという女の子がいました。
Cちゃんは人の気持ちを汲み取るのがとても得意で、クラスのムードメーカーでしたが、いつも人のことを考えるばかりに自分の気持ちはいつも後回しにしている印象を受けていました。
しかし、4歳の誕生日辺りを境にCちゃんに変化が訪れました。
来る日も来る日もあらゆる子供と喧嘩し始めたかと思うと、幼稚園の活動は全てボイコットして、全ての物事に異議を申し立てるようになりました。
そんなCちゃんが変化を見せていた頃、保護者懇談会がありました。
お母さんはすごく温和で理解力がある方だったので娘の変化には動じず、
「子どもの成長の一部ね。」なんて笑っていました。
私は何気なくお母さんに言いました。
「本当はCちゃんも今まで嫌だなーと思うことがたくさんあったんじゃないですか?
先生や友達の気持ちを考えすぎて疲れちゃうんだと思います。
だから今、反抗期という名を借りて、イヤなことをイヤだと言えていいんじゃないですか。
イヤの気持ちをしっかり出せたら、そのうちにYESとNOがうまく釣り合って、Cちゃん本来の敏感さがもっと上手に生かせると思う!」
と、明るく言ったのですが、突然Cちゃんのお母さんは号泣し始めたのです。
一瞬何かまずいことを言ったかな?と思いましたが、
HSPである私はとっさに、今自分が言ったことがきっとお母さん自身のことに当てはまるんだ!と直観で感じました。
そのお母さんはいつもほかの人に気を遣って、お母さん達の間をいつも取り持ってくれるけれど、どこか自分の感情が他人の感情に翻弄され疲れてしまっているHSPでした。
私は「娘さんは」というところを、心の中で「あなたは」に置き換えて話を続けることにしました。
「人と接すると本当は腹が立ったり、めんどくさかったりしますよね。
でもその気持ちを肯定して、自分が思う行動をとればいいんだと思います。
きっと相手のことも考えて、相手にとってもふさわしい決断を(あなたは)すると思うから。」
お母さんの返事はなく涙だけが流れていましたが、私は続けました。
「敏感さは消えてなくなるものではないけれど、うまく生かしてバランスよくやっていける時がくる。
Cちゃん(あなた)に助けられている人がたくさんいる。
だからCちゃん(あなた)の敏感さは、クラスの宝物。
その事実も絶対に消えてなくならないと思うのです。」
お母さんは、Cちゃんのことも、自分のことも何も言わず、ただただ泣き続けていました。
なぜお母さんが泣いていたのか、本当のところは私もわかりません。
でもそれから数週間後、お母さんは私のところにきて、
教師になってみることにした。
自分のために生きてみることにした。
と、報告しにきてくれました。
きっと、子供の心がよくわかる良い先生になられていると思います。
HSPが3人そろった話でしたが、あれから私はそんなCちゃん、お母さんに出会って、自分自身のペースに寄り添うことを心がけるようにしています。
もしお子さんが敏感な性質をお持ちでしたら、ぜひ焦らずお子さんの気質を理解し、
「自分には無理だ」というマイナス気持ちを手放せるよう、
「本質を見抜く能力があるんだ」という自覚が持てるよう、
HPSを生かせる環境と、その子のペースに寄り添ってあげてほしいと思います。
きっと繊細で色鮮やかな花が咲くことでしょう。
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