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「あなたは、おぼえていないでしょう」

⭐️まずは、絵本「ぼく、しってるで」を

お読みください⭐️

↓↓

 絵本「ぼく、しってるで」

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「ぼく、しってるで」サイドストーリー

「あなたは

おぼえていないでしょう」

〜Mom&Dad’s Story〜

※みどりの文はママとパパの心の声

ママ表紙編集

 

1

(ママの心の声)

ねこにおこされ 

きょうも  わたしの  いちにちが はじまる

むすこの  ゲンタは  9さい

ひとまえだと  なまいきだけど

まだまだ  あまえんぼうな  9さい

2

(ママの心の声)

あなたが  ちいさかったころ

おぼえてないでしょう

おはなし  してくれるのが  うれしくて

なんでも  きいてあげてたな

3

(ママの心の声)

でも さいきんは

あんまり  はなしきいてあげれてない。

きいて あげたほうが いいのは わかってる

でも  あなたがする はなしは

ゲームや  カードゲームの はなし  ばっかりで

いっしょうけんめい   はなして  くれてるけど

とうじょうじんぶつの  なまえが おおすぎて

あたまに  はいってこないのよ

4

(ママの心の声)

あなたが  ちいさかったころ

おぼえてないでしょう

えや  じが  かけるようになったのが うれしくて

「ままだいすき」って

まいにち まいにち たくさん

えや  おてがみ  かいてくれて

おきばしょに  こまるくらいで

それは  いまでも  だいじに  おいてあるのよ

さいきんは  おてがみくれないのね

5

(ママの心の声)

しゅくだいのじ ていねいにかいてほしいのは

じを きれいなほうが

みんなに 「すてきなひと」って

おもってもらえるから

ママは  じが へたくそで

じに  じしんが  もてなかったからなの

あなたには 

おなじ  おもいを  してほしく ないな

6

(ママの心の声)

あなたが  ちいさかったころ

おぼえてないでしょう

しんまいママの  わたしは

あかちゃんの  ごはんについて

いっしょうけんめい  べんきょうして

 たべやすいように

がんばって  こまかく  きざんで

あたらしい  しょくざいに  チャレンジするたびに

アレルギーが  でないか  しんぱいしたりしながら

つくったごはんを

あなたは  いっしゅんで  ぺって はきだすから

にどとたべてくれなくて

しかたなく  ドロドロのごはん

わたしが  たべたのよ

それでも

あなたが  よろこんで  たべてくれたときは

とっても  うれしかった

7編

(ママの心の声)

いまでも  えいようの バランスを  かんがえて

あさから  げんきに なるように  つくってるのに

テレビを みながら  ぼーっと  たべてるから

がっこうに  ちこく  しちゃうじゃない

8

(パパの心の声)

きみが ちいさかったころ

おぼえてないでしょう

うまれて  ころころしてただけの  きみが

あっというまに   ねがえりして すわって 

ハイハイして あるきだすから

おもしろくて

つぎは  どんなことが  できるように なるのか

たのしみで

でも おおきくなっていく きみをみるのが

ちょっぴり  せつなかった

9編

(パパの心の声)

いまはもう

まっくろに  ひやけして  おともだちと  あそんでる

げんきなのは ほんとうにうれしい

でも はしりまわるのは  そとにして

せまい  おうちで はしって

けがを  してほしくない

10

(ママの心の声)

あなたが  ちいさかったころ

おぼえてないでしょう

あなたは なんでもできると  おもってた

だから ちょっとむずかしいことにも

なんでも  チャレンジしたね

そして   よそうを   うわまわって 

なんかいも   おどろかせてくれた

11

(ママの心の声)

いまは じぶんができることでも

かんたんに  あきらめちゃうときが ある

かってに 「じぶんはできない」って

きめないでいいんだよ

もどかしくて

ついつい  おこってしまうのは  よくないね

きをつけます

12

(パパの心の声)

きみが  ちいさかったころ

おぼえてないでしょう

「うちゅうヒーローに  なりたい」

っていってて

そのころは 「かわいいな」 とおもってた

13

(パパの心の声)

きみはいまも

うちゅうひこうしに  なりたいという

「なれる かくりつが、 とてもひくい」と

しってしまっている  パパは

きみが  そのゆめを  おいかけた「さき」の

「ぜつぼう」を  あじわってほしくなくて

きみより  さきに

かってに   あきらめてしまっている

もしかしたら

ほんとうに  なれるかも しれないのにね

14ママ

(ママの心の声)

わたしは  わすれない

14

(ママとパパの心の声)

あなたがうまれた

あの  すばらしいひの こと

あなたの  たんじょうびは

わたしたちの  じんせいで  いちばん  とくべつな ひ

あなたは

いきてくれているだけで

じゅうぶん

あのひのことを  おもいだすたびに

そんなきもちにもどれる

15

(ママとパパの心の声)

そして  わたしたちは  ふたりめの ママになった

こんどは  かわいい  おんなのこ

なまえは  みっちゃん 

のんびりやさんの  おんなのこ

16編

(ママとパパの心の声)

しょうらい

あなたが  ゲンタくらいの  としに なったら きっと

ママも  パパも  あなたにも

うるさくして  しまうかも  しれないね

いまのうちに  とびきり かわいい  すがたを

めに   やきつけて

1日1日を  だいじに すごさなきゃね

18えがお
19

あとがき

 

絵本「ぼく、しってるで」で

ねこの目線から見た

ゲンタ一家のお話を書かせてもらいました。

 

ねこから見ると

ママやパパの行動は理不尽に見えるのでしょう。

赤ちゃんの頃と、成長してからでは扱いが違うと。

 

では、実際ママやパパは子どものことを考えない

ひどいママ、夢をくじくパパなのでしょうか。

 

そうではないと言いたくて

サイドストーリーを書かせてもらいました。

 

ママにはママの気持ち

パパにはパパの思いがあるのです。

 

私たち親は、子育てを習いません。

 

自分たちが育ててもらったという経験と

両親や先輩ママ、ネットや育児書などの

情報をたよりに

手探りで赤ちゃんを育てます。

 

何もわからないところから

一人の人間を育てるわけですから

それはそれは大仕事です。

 

小さな小さな命が

自分の力で息をしていること自体が奇跡に感じ

 

生まれてから数日間はちゃんと息をしているか

何度も確認してみたり。

 

そのあと病院から退院して実家から家に戻ったとき

とても不安な気持ちになったのを

昨日のことのように覚えています。

 

「子どもがいてくれて幸せ」という思いと同時に

時にはそれ以上に

「ちゃんと育てなきゃ」という

義務感がのしかかります。

 

そして、何かあったら自分を責めてしまいます。

 

よその子に比べて言葉が遅いと、

「私があまり話しかけなかったからだ」と。

 

抱っこしないと泣き止まなかったら

「私が抱っこしすぎたから抱き癖がついたんだ」と。

 

アレルギーがわかると

「私が妊娠中にあんなことして、

あんなもの食べたからだ」と。

 

・・・

 

成長するにつれて子どもたちの様々な

「困ったこと」が見えてくると

自分の関わり方が

この子のいろんな結果を招いているのではないか。

 

いい面でも、悪い面でも。

 

テストの答え合せをされているような気持ち、

とでも言いましょうか。

 

そんな風に思ってしまいがちです。

 

そして、それらを裏付けるような研究結果も

たくさん出されています。

 

「親がたくさん話しかけなければ、

子どもの学力に影響を与える」

 

「親の自己肯定感が低い子は、

自己肯定感の低い子になる」

 

「感情的に話す親から育てられた子は、

自分が親になっても

同じように感情的に子育てをしてしまう」

 

などなど。

このような研究結果は本来

よりよい子育てをするための

有益な情報であり

子どもたちの健やかな成長を

後押しするための情報です。

 

ところが、このような情報にふれるにつれ

「自分責め」の道具にしてしまう

ママが後をたちません。

 

私自身も、

「いかに自分がちゃんと子育てできていないか」という

現実を突きつけられ

ドーンと沈んでしまうときがあります。

(もちろん、これがバネとなり

子育てを見直すいいきっかけにはなっています)

 

だから、悪いところが特に目について

気になって気になって。

ついつい、口うるさくしてしまいます。

 

実は、多分こどもたちを怒っているママやパパは

心の中で、自分のことも責めていると思うんです。

 

例えば、私の場合

 

「どうして、毎朝バタバタなの!」

と子どもに言っている言葉の裏には

 

「もっと私が朝ゆとりを持って家を出る習慣をつけてあげればよかったのに、できていない」

という、自分への怒りがこもってしまっています。

 

理想通りに子育てできない自分への苛立ちが

子どもに向かって声を発しています。


 

ママも、パパも

 

ちゃんと子どもの話を目を見て聞いてあげることが

大切ってことくらい

知ってます。

 

子どもの夢を頭ごなしに否定することが

よくないってことくらい

知ってます。

 

怒らずに宿題を自分からすることを
気長に見守ってあげた方がいいことくらい

知ってます。

 

子どもを叩かずに笑って子育てした方が

いいってことくらい

知ってます。

 


でも、日常に追われる中で、

子どもの全て寄り添うことは本当に難しいです。

 

頭の中で、仕事のことを考えながら

上の空で子どもの話を聞きながら料理をしたり

毎日をこなすのが精一杯という状態です。

完璧にしてっていう方が無理です。

 

ママやパパは、きっと十分頑張っています。

だから、これ以上自分を責めないでおきましょう。

 

私たちが理想としている子育てが

できていなかったとしても

子どもたちが、思うように

行動してくれなかったとしても

それは全て私たちの関わり方のせいでは

ないんです。

 

そもそも私たちの思うように行動させる必要すら

ないのかもしれません。

 

・・・

 

我が家の場合

3人の子どもたちそれぞれが

本当に違う個性を持っていて

同じような言葉を投げかけても

リアクションが全く違います。

 

長男はポジティブな部分以外はほぼスルーで、
長所を見つけてもらうとニコニコです。

長女は、ネガティブな部分もしっかり聞き逃さず、好戦的。

次女はとにかくお気楽にキャッチします。

 

おもしろいなぁって思います。

 

それぞれの生まれ持った「個性」があり

周りの働きかけに対して

どう反応しどう行動するかはその子次第。

 

親は、もちろんサポートできる部分は

たくさんありますが

反対に、親でなんともできない部分もある。

コントロールしてはいけない領域もある。

そこを、ふと忘れてしまうときがあります。


言い古された表現ですが

 

「親の所有物ではなく、

一人の人間として尊重する。」

 

これに尽きると思います。


その上で、家族としてはルールを守ったり

それぞれの思いや家族として

人としてのあり方を共有してみること。

日常的にを語り合うこと。

 

時には、生まれた時のことや

小さかったころのことを思い出し

こどもがいてくれるあたたかさやありがたみを

じわーっと噛みしめること。

 

こういうことを大切に

これからも子育てしていこうと思います。

 

こういう機会をいただくと

初心に戻れます。

 

この素敵な機会をくれたおかっち

本当にありがとうございます。

 

今後のゲンタ一家を

これからも見守っていただければ幸いです。

 

最後に、我が子たちへ

いつも、うるさくしてごめんなさい。

愛しています。

 

スクールリーダー
ふみ

1517

 


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