英語は 本当に必要か?
アメリカから帰国して1年、英語の先生になりました。英語は、子供の頃から一番大嫌いだったやつです。高校の時に突然訪れた、洋楽ブーム。でも、僕は19(ジューク)が好きだったので、英語の音楽を聞くことはありませんでした。そして、外資系の会社に就職。でも、働く場所は和歌山です。英語を話すことはありませんでした。そして、ある日留学を決めました。英語を学ぶことが必要になりました。世界中の人と話したくなりました。そして、渡米。帰国してきて、少しは英語を話せるようになりました。そして、考えます。子供にとって英語は、本当に必要なのでしょうか?
英語を話すことができれば、海外で働くことも可能になってくるかもしれない。知らなかったいろんな知識や情報にふれて、世界が広がるかもしれない。いい大学に合格するためには、必須かもしれない。でも、人間力を育てるということでは、英語以外でもいいですよね。「あそんでばかりいないで、勉強しなさい!!」あそびは、学びの宝庫です。人として大きくなるチャンスがたくさんあります。「社会で生きていく力」を育てたいのか、「英語を話せる力」を育てたいのか、どちらでしょうか。
僕が子供の英語の先生をしているのは、英語を教えたいからではありません。生きる力を育てたいからです。自分のことばで自分の気持ちを自信を持って表現できる力をただ伸ばしたいのです。完璧な英語が話せないから外国人と話さないとか、和歌山を出たことがないから、和歌山以外では仕事をしないとか、そんなんはイヤなんです。もちろん、英語の基礎力は大事。でも、一番大切なことは、自分の気持ちです。伝えたい気持ち、知りたい気持ち、やりたい気持ち。文法が美しく整っていなくても、それはとても小さな問題。まずは、自分の気持ちを声に出してみようよ。身体を使ってもいいし。勇気を出して一歩前に進めば、気持ちは伝わる。世界とつながれる。そういうことを、英語を通じて学んで欲しいです。
世界はとっても広いです。ワンダフルなことがたくさんあります。英語だけに限らず、いろんな「たのしい」を体験して、いろんな「おもろい」人とあそんで、そんなことが子供の「やりたい気持ち」「前に踏み出す力」「人とつながる力」をはぐくむかもしれませんね。それでは、またお会いしましょう。
アガサス2015年3月号『Mr.おかっちの続アメリカ留学日記』コラム掲載