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アメリカで子育てをした私が 日本の子育てについて思うこと

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こんにちは。
PETERSOX スクールリーダーの
宮脇えみこ
と申します!

 

私は生まれも育ちも和歌山ですが、縁あってアメリカに渡ることになり、スターバックスとアマゾンの街、シアトルでの生活を始めて早くも21回目の夏を迎えたところでした。

21年間アメリカで踏ん張っていた私ですが、「人生はたった一度っきり。日本での生活に挑戦してみるか!」と、家族と人生をリセットすることを決めました。

私にとってはすでに「ほぼ外国」の和歌山での再出発、そして家族にとっては未知の体験となる冒険がはじまったところです。

 

 

21年間のアメリカ生活で得た最も大切な宝物は、様々な人との出会いです。幸運にも幼稚園教諭やアドバイザーの仕事を通して、幼児教育や障がい児教育に取り組み、子供達や親御さんと深く関わる機会を多くいただきました。

私自身もシアトルで出産し、アメリカと日本の子育て環境について戸惑ったり、学びながら子育てをしてきました。

そんな環境に長年身を置いてきた私の目を通して、今久々の日本で感じることを皆さんと共有できればと思います。

 

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まず日本に戻って感じたのは、お子さんに対する親御さんの関わりがずいぶんアメリカとは違うなということです。

それぞれの子育ては、育てる親や子の性格、環境によって千差万別であろうかと思いますし、アメリカでも日本でも良いところ、悪いところはそれぞれあります。

そんな事実を踏まえても、日本でみる光景に「何かが心配だなー。」と、ぼんやりと心にひっかかる不安があります。

 

それは、お母さんの心が子供さんの心に共鳴しておらず、親子で過ごす時を豊かな時間だと感じられているお母さんが少ないのかなあと感じることです。

 

こどもが一生懸命、お母さんに何かを話しているときはお母さんはつまらなそうに聞いているのに、こどもの一挙手一投足が気になり干渉してしまうお母さん、お父さんをよく見かけます。

こどもの話は大人にとってつまらないし、同じことの繰り返しが多いですよね。

そして、現在では子育て中のお母さんがプレッシャーを感じざるを得ない社会的な要因がいくつもあります。

 

規則や規範を教えるための、「しつけ」がなっていないと周りから思われるんじゃないだろうかと不安になったり、

自分の将来に対する不安から、子供の将来に対する過度な不安や期待が生じてしまう。

また、数字で表せる評価がないと、自分の子の良さや課題がわからない。。など。

 

しかし、そういった不安をいったん脇に置いて、じっくり関わる目と耳、そして敏感な心を携えてこどもの心の中に深く入っていくと、親でも気づかなかった子供の個性や才能に関わる発見ができることがあります。

 

「うちの子はこんなところに心がひっかかるんだ。」とか、「こういう誰も何も感じないところにワクワクしたり、喜びを感じるんだ」、「うちの子は落ち着きがないけれど、動くものが大好きなんだな」などと気づいたりします。

 

そのような隠れたその子らしさは、テストの点数では評価できませんが、こどもの秘めた可能性でもあり、その子の根本となる人間の軸のようなものであると思います。

 

そんな子供の人間としての深い部分に、一番身近な親が無関心であることに私は寂しい思いがしますし、子供の言動や行動を「正しいこと」や点数で測る心ではなく、ただただ心が響き合う親子ならではの至福の時間を楽しむ心があれば、もっと子育ては楽になるのになーと感じています。

 

大人が子供の心の声に敏感に感じながら対話を続けていると、子供の「自分で知りたい。解決したい。」といったやる気の芽がでた瞬間、または「今は自信がないから助けてほしい。」という密かに出しているSOSの気持ちを、「言葉にならない言葉」を通して親が理解できるようになり、正しい答えのない親の対応をせまられたとき、自信を持って柔軟に動けるのではないでしょうか。

ましてや、子供のためだと言って、むやみに子供のやる気を傷つけたり、「子供の自立のためだ」といって泣いている子を無視したりするようなことはなくなるだろうと思うのです。

 

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では実際にどうすれば子供とよい関わりができるのか。

 

私も親として教育者として、いつも正しい答えにはたどり着けず、失敗と誤解を繰り返しながらも子供の心に寄り添えるように試行錯誤の毎日です。

ただ様々な背景を持つ子供達や親御さんと関わってきた経験から、「大人の関わり」について私なりに得たヒントがあります。

幼稚園で出会う子のなかには、小さい頃にはやんちゃすぎたり、大人しくて心配した子供が、歳を追うごとにしっかりしていく子とそうではない場合があり、それぞれにその理由は複雑で異なるかと思いますが、親御さんの子供への向き合い方に違いがあることに気づいたのです。

 

そのなかでも大人が子供と関わる中で、一番大事だと思っていることがあります。

 

子供が自発的に何かをしようとするとき、失敗するとわかっていても「見守る」態度。

 

子供はまだ小さいうちは自分の限界を知りませんから、大人からみれば無謀なことや無駄なことをひたすらやりたがります。

しかし大人が周囲を気にして規範や答えを示しすぎると、子供が自分で考えようとする力が育ちませんし、困難を乗り越えていく粘り強さも身につきません。

また子供が自由気ままに想像したり、行動したりできる世界に、大人がむやみに入っていくことは、子供が失敗しながら「自分」を見出していく過程を阻害してしまいます。

こどもは五感と手足を使って、実際の体験からいろんなことを感じ、学びます。

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私も幼稚園ではよく、「あーこうすればうまくいくのに」と口出ししたくなることも多々ありましたし、家に帰って自分の子供を目の前にすると、自分の口にテープを貼っておかなければならないほど息子に口出ししたい衝動にかられます!

もちろん危険なことや、絶対にダメだと思うことは、はっきりと時には厳しく子供に伝える必要はありますし、大人の働きかけも、こどものやる気や才能には大きく関わる大事な要素であると思っています。

でも基本はこどもの成長を「信じて」、「待っている」と、必ず子供は自分なりの答えを出します。

自然に子供が出した答えはいつも、子供自身を成長させる前向きなもので、私は子供の成長したいという本能にいつも感動させられます。

 

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そしてもう一つ大切なことが、「共感する心」だと思っています。

 

こどもが目標に達成できず敗北感に打ちのめされたとき、また成功して喜びを感じたとき、大人はその心にそっと寄り添い共感する気持ちが大事だと思います。

大人が共感する心は、子供がありのままの自分を受け入れるという自己肯定感の基礎を育み、他者を思いやる気持ちにもつながります。

 

こどもは案外強い生き物だなーといつもこどもと関わっていると感じるものです。

もうダメだ―と泣き叫んでいても、悔しいという気持ちを受容してもらうだけで、また自ら挑戦の道へと戻っていく姿を何度も何度もみせられてきました。

 

 

一方で、最近は子供の「自己肯定感」を育むことの大切さが盛んに言われていますが、褒めて育てれば子供の自己肯定感が高まると誤解して、こどもの全てを受け入れようと一生懸命になりすぎている親御さんにも出会います。

子供がワクワクしていても大人がその内容を評価しておらず無視したり、逆に子供のすることに心では違和感を感じていても、褒めるということにとらわれ過ぎて甘やかすということにもなりかねません。

自分が子供に見たいものを褒め、見たくないもの、または自分の狭い価値観を通して見えないものは無関心という姿は、「褒める」ということを通して、自分の価値観を子供に押し付けてしまっているのです。

 

自己肯定感を育てるという名のもと、「褒める」ということだけに重点を置きすぎると、子供の本当の気持ちがみえなくなり、それもやはり子供の心に向き合っていない状況になってしまいます。

自己肯定感を高めるという考えや、褒めて育てる子育はアメリカからきた傾向がありますが、アメリカでは子供の世界や言動を尊重する一方、他人に対する態度や礼儀に関しては日本より厳しくしつけをします。

しかし、近年アメリカでも「褒める」ということに関して賛否両論があります。

アメリカでは口癖のように親や先生が、頻繁に「グッドジョブ!(上手にできたね。)」と言います。

「Good Job Syndrome」(よくできました症候群)などと呼ばれることもありますが、なんでもかんでも「よくできました。」と褒められた結果、子供は物事はスムーズにうまくいって当たり前だと思うよになり、思うように物事が進まないと、自分に能力がないとあきらめてしまう子供達が多くなっていると言われています。

実際アメリカの現場で働くなかで、この20年の間、問題にぶち当たったとき、答えをすぐに知りたがる子供や若い先生が増えたと実感しています。

 

自分で熱中することに対して、失敗したとしてもやり遂げたいと思う気持ちがあり、そのための問題解決に意欲的に挑めることができる。

そして仲間の力を借りて、自分で乗り越えていけるという自信がある。

 

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そんな自己肯定感が高い子供が育つ環境では、

周囲の価値観に流されず、そしてぶれることなく子供の心を丁寧に見極めること。

子供が自らのペースで成長するのをしっかり待ち、柔軟に見守り、共感できる。

そんな大人の関わりが子供の成長に大きく影響していると自らの経験から痛感しています。

 

親として教育者として、まだまだ未熟で学びの日々です。

皆さんとお会いして、一緒に成長していける機会を楽しみにしています!

スクールリーダー
エミーコ

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